経営コンサルタントを名乗る自分が、マーケティング戦略やブランディングについて語っている時、自分自身を生意気でおこがましいと思う事が時折有りますが、今回は更に踏み込んで『運』について触れてみたいと思います。
33歳で個人経営(創業)を始めてから かれこれ23年も経営に携わっていると、ことごとく困難が幾たびと襲ってきます。
それを何とか乗り越えていかなくてはならないのですが、これでもかと積み重なる様に更なる困難がやってきます。
そんな時、自分が他人より『運』が無いのでは?と実力も無いくせに『運』のせいにしたりしている時が多々あります。
運とは?
運がいい、運が悪い、運が強い、強運、運命などいうときに使われる運とは何でしょうか?
運(うん)とは、その人の意思や努力ではどうしようもない巡り合わせを指す。
https://ja.wikipedia.org/wiki/運
人の身の上にめぐりくる幸・不幸を支配する、人間の意志を超越したはたらき。
https://kotobank.jp/word/運-442490
松下電器産業(現パナソニック)創設者である松下幸之助氏は、面接の最後に必ず『あなたは運が良いと思いますか?』と質問したのは有名な話で、「運が悪い」と答える人はどんなに優秀でも即不採用にしたそうです。
また過去から現在に至るまで世界中の成功者の多くが 「自分は運がいい」「運が強い」と考えています。
あるいはイタリアのカターニア大学が発表した研究結果によると、富の配分を正確に再現することに成功したシミュレーションの結果、最も裕福になった人々は最も才能のある人たちではなかったそうです。
最も裕福になった人々は最も「幸運な人」だったのです。
運に関する名言・語録
故野村克也元監督の語録
故野村克也元監督の語録に、
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
※ この言葉は野村の創作ではなく、松浦静山の剣術書『剣談』からの引用である。
「負けるときには、何の理由もなく負けるわけではなく、その試合中に何か負ける要素がある。勝ったときでも、何か負けに繋がる要素があった場合がある」という意味。
試合に勝つためには、負ける要素が何だったか、どうしたらその要素を消せるかを考えて行く必要がある。また、もし勝ち試合であっても、その中には負けに繋がることを犯している可能性があり、その場合はたとえ試合に勝ったからと言って、その犯したことを看過してはならない。
https://ja.wikiquote.org/wiki/野村克也
『マー君、神の子、不思議な子』
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/02/12/kiji/20200212s00001173042000c.html
「マー君、神の子、不思議な子。不思議の国のマー君。調子も最悪。何点取られるか投げ続けさせようと思ったら、天から神様が降りてきた」(楽天監督時代の07年8月3日のソフトバンク戦。6回5失点ながら打線の援護で勝利投手になった田中将大の“神通力”を評して)
など有りますが、やはり日ごろから努力をしている実力者に『運』は訪れるものだと戒められます。
故米長邦雄名誉棋聖のスピーチ
また、私が最も尊敬する先輩の一人で、将棋の故米長邦雄名誉棋聖のスピーチの動画が私の脳みそにずっと居続けます。
その動画とは米長先生が史上最年長(49歳11ヶ月)で名人位を初めて獲得した時の祝勝会でのスピーチです。
それまで米長先生は、将棋界6大タイトルをいくつも獲得してきましたが、最高峰の名人位だけは幾度もの挑戦を退かれ、多くの天才棋士が20代で獲得する中で、50歳を迎える寸前で悲願の獲得を成しえたのです。
そこでおっしゃったスピーチは「今回私が名人になれましたのは、なんといいましても『運が良かった』というこの一言に尽きるのですね」と。
ここで後援会らしき人から「いや、実力だ!」と声がかかると続けてこう言われました。
「いや実力でしたら(名人位を)もっと早く取っとるんですね」と微妙な笑みで真剣に応酬しました。
何とも皮肉でかつ微笑ましい『運』の哲学でしょう!
遅まきながら、49歳10ヶ月でやっとこ新築の家を建てた私とかぶるところが有るのでなお更共感できます(^^♪
故米長邦雄名誉棋聖のその他の語録・名言
『兄達は頭が悪いから東大へ行った。自分は頭が良いから将棋指しになった。』
『将棋に勝因はないんです。あるのはすべて敗因です。』
『いかなる局面においても、「自分が絶対に正しい」と思ってはならない。』
『モテない理由ははっきりしている。その男がケチだからである。』
『これまで勝利してきた得意な手が、どうにも通用しなくなる。要するに時代遅れになっているわけです。どんどん出てくる若手の棋士はピストルの弾丸のようなものです。そこで自分のやり方に固執する、かつての勝者の末路は哀れです。頭でわかっていても行動できない。自分の思い込みや心理状況を冷静に分析することが必要です。』
https://the-greats.com/people/4230
設立20周年を迎えられたら、こうスピーチする!
私の短期目標の一つに約3年後に迎える我が社の20周年記念に祝賀会を開いて、米長先生のパクリではありますが、以下の様にスピーチをする事です。
『会社の生存率が創業から5年で10%以下と言われる中でこうして会社設立20周年を迎えられたのは本当に運がよかった事に尽きる思います』と。
そして人生の終息を迎える時も同じような事を言って死ねたら幸せだと思います。